もったいない!手続き忘れのDC資産が2400億円に!

2022年9月7日の日経新聞に以下のような記事が載っていました

「放置年金」5年で7割増2400億円 運用機会111万人逃す

「放置年金」て何?またも年金機構に何か不祥事が?と思われる方もいるかもしれませんがそうではありません。

転職時や退職時に企業型確定拠出年金(DC)で積み立てたお金をほったらかしたままにしている人の、宙ぶらりんなお金の合計額です。

宙ぶらりんとは→運用できない・手数料がかかる 「国民年金基金連合会」というところに塩漬けとなっているお金のことです。

そんなお金の総額が2400億円、なんと111万人もの人が、自分のお金をほったらかしにしているというわけですのでびっくりです。

 

確定拠出年金は会社まかせではなく自己責任の制度

これは、「確定拠出年金」の制度が会社まかせではなく、自己責任の制度だ、ということを理解していないために起こってしまったのだろうな、記事を読んで思いました。

お給料をもらってもほとんどの会社員は確定申告を行いませんし、行っても医療費控除や住宅ローン控除のような還付請求のみ。

しかも、長年、日本では終身雇用が当たり前で、転職をしてステップアップをしていくという文化がありませんでした。

そのため、退職金の運用も定年退職まで会社まかせで、会社が約束してくれた利回りで運用した結果をただただ受け取っていました。

いわゆる「確定給付型年金」や「企業年金」です。

 

しかし、「企業型確定拠出年金(DC)」は、会社が掛け金を出してくれますが、受け取る金額は自分の運用の結果次第という自己責任の制度です。

しかも、原則として60歳までは自分のDC口座のお金を途中で引き出すことはできません。

60歳より前に会社を辞めた場合、次の働き方によって今まで積み立てた資産を、次のDC口座に持ち運んで運用を続けなくてはなりません。

転職しても、専業主婦(主夫)になっても、自営業になっても、積み立ててきたDC口座のお金を持ち運び、老後資金のために税制優遇を受けながら運用を続けられるのが、確定拠出年金(DC)制度の特徴です。

 

ただし、積み立てた資産(自分で運用したお金)を持ち運ぶ手続き(移換)は自分で行わなくてはなりません。

ところが、会社を辞めるときに(忙しくてどさくさに紛れるからかもしれませんが)、何の手続きもせずにほったらかしてしまう人が多いのです。銀行で今問題になっている休眠口座と似ていますね。

会社を辞めるときの手続きは?

退職や入社の手続きだけでも煩雑で、やることがたくさんあって、そんなところまで気が回らないよ!と思う方も多いでしょう。

しかし、自分の大切なお金ですから、必ず手続きをしましょう。

まずは、会社の確定拠出年金制度の窓口となっている「運営管理機関」のコールセンターに電話をしてください。

 

具体的に行う手続きは以下のようなことです。退職後の働き方により手続きは異なります。

・転職先に「企業型DC」がある場合・・・転職先にDC口座を開設してその口座にお金を移します。(移換といいます)
基本的には転職先の担当者に聞いて手続きを行います。

・転職先に「企業型DC」がない・・・・・イデコ(個人型確定拠出年金)の口座を開設しそちらに資産を移します。
自営業・専業主婦(主夫)になる等・・・同上

10月からは規約にかかわらず企業型DCとイデコの両方に加入できるようになります。ただし、掛金の上限が決まっていますので、会社からの掛金によっては加入できません。また会社からの掛金に自分のお給料から上乗せができる「マッチング拠出」をしている場合はイデコに加入できません。

また、DCの資産を企業年金連合会が運用する通算企業年金に移換することもできるようになりました。

その他脱退一時金を受け取れる場合など詳細はその人によって異なります。

いずれにしても、コールセンターや転職先、イデコを開設した金融機関のコールセンター等で自分の場合の手続きを聞いてみることが第一歩です。

 

企業型DCとイデコの違い・金融機関の選び方

企業型DCに加入していても規約にかかわらずイデコに加入できるようになり、選択肢が増えました。しかし、その分自分で選ぶことが増えました。

企業型DCとイデコの違いがわからないと、どうしたらいいかまたよくわからず、手続きを先延ばしにしてしまうかもしれませんね。

 

企業型DCとイデコの違いは大きく以下の2つです。

  • 手数料
  • 商品のラインアップ

企業型DCの場合、60歳までなど会社で働いて掛金が拠出される「加入者」という身分の間は、口座管理手数料や資産管理手数料といった手数料は会社が負担してくれます。

手数料は会社によって異なりますが年間数千円程度です。60歳以降運用だけを行う「運用指図者」はこうした手数料を負担します。

イデコの場合は、掛け金を拠出している「加入者」期間中もこうした手数料は自己負担となります。

その他、eラーンニングや外部講師を呼んでの投資教育等にかかる費用なども会社が負担してくれます。

こうした手数料の部分は企業型のほうにメリットがあります。

 

しかし、商品のラインアップや、商品ごとの信託報酬や信託財産留保額といった手数料については、自分の会社の商品と自分が選んだ金融機関のイデコのラインアップを比べないとわかりません。

たくさんの金融機関から、どの金融機関を選ぶかは難問ですよね。

そんな時役立つサイトをご紹介しますね。

イデコナビ

様々な視点から比較できる内容で、わかりやすく書いてあるのがとても良いサイトだと思っています。

ぜひ、参考にしてみてください。

 

住まいのお金相談室でも、イデコや企業型DCの運用相談ができます。

退職金の一部として、老後どう受け取るかなど、出口の部分については自分自身の経験も含めてお話しできますよ。

また、セミナー講師として、多い年で年間100回以上の企業型確定拠出年金(DC)の導入研修、継続研修をやってきました。

2022年は制度改正もたくさんあります。

制度と運用についてゆっくり相談したい方はぜひ個別相談をご検討ください。

その他のご相談をご覧ください。