独身女性がマンション購入後結婚したら?所有マンションはどうする??

独身女性がマンション購入後に結婚して新たに住宅を購入する場合、所有しているマンションや住宅ローンは一体どうすればよいのでしょう。マンションを売却した方がよいのか、賃貸として家賃収入を得る方がよいのか迷ってしまいますね。今回は結婚、出産、子育てなど、ライフプランの変化に対応するための、所有マンションの対処法を考えてみます。

35歳でマンションを購入したAさんが結婚したら

ここからは、35歳で3,000万円のマンションを購入したAさんが3年後に結婚し、将来子供ができたときのことも考えて一戸建てを購入する場合を考えてみましょう。

Aさんは住宅ローン返済中ですが、夫は社宅住まいです。結婚後は実家にも帰りやすい郊外の一戸建てを、夫婦ペアローンで購入することを検討中です。新たな住宅購入を前に、Aさんの住宅ローンが残っているマンションを売却するか、賃貸にして持ち続けるか迷っています。

マンションを売却した場合

3年前に全額住宅ローンでマンションを購入していた場合、マンションの売却価格によっては住宅ローンが残ってしまう可能性があります。

例えば、住宅ローンの残高が2,750万円あるマンションの売却価格が2,500万円だった場合、仲介手数料等の売却費用が100万円かかったとすると、手元に残るお金は2,400万円です。2,750万円の住宅ローンを完済するためには、350万円を手元の預貯金から一括返済しなくてはなりません。

預貯金からの持ち出しが出ても、Aさんの住宅ローンがなくなれば、夫婦2人でローンを組むペアローンは借りやすくなります。なぜなら住宅ローンが残っていると、住宅ローンの審査で重要な総返済負担率(年収に対する年間総返済額の割合)を計算するとき、新たに借りるローンの返済額にマンションの返済額もプラスしなくてはならないからです。

Aさんの例では、マンションのローン返済額が毎月8万円だったとすると、年間で96万円です。返済負担率の上限が年収500万円の35%だった場合、年間の返済額の上限は175万円です。すでに返済中の96万円を差し引くと、新しい家を購入するための住宅ローンは、年間79万円、毎月の返済額は6万5,800円の範囲に収めなくてはなりません。今は低金利だから希望の金額を借りられるだろう、と安易に思ってはいけません。金融機関は広告に出ているような0.5%等の金利で審査を行うわけではないからです。低金利を前提に妻の住宅ローンも見込んだ資金計画を立てると、思った金額が借りられず、希望の物件を購入できなかったということにもなりかねません。

夫婦ペアローンで住宅を購入しようと考えているなら、マンションを売却して住宅ローンを完済しておくのも1案です。

マンションを賃貸にした場合

購入して数年でのマンションの売却は、やはり売却金額や諸費用を考えるともったいない、と考える人も多いでしょう。その場合、購入したマンションを賃貸に出して新たな住宅購入を考える人もいます。

住宅ローンが残っているマンションを賃貸に出せば、家賃収入で住宅ローンを払うことができます。確かに住宅ローンの毎月の返済が8万円、管理費や修繕積立金等の維持費を2万円とすると、月10万円の賃料で貸すことができれば、計算上家計からの持ち出しはありません。

しかし、金融機関の住宅ローン審査では、必ずしも家賃収入を100%収入とみてくれるわけではありません。なぜならば、今は10万円で貸すことができても、建物が古くなれば賃料が下がるかもしれず、空室になればしばらく借り手がつかないこともあるからです。住宅ローンの審査においては、家賃収入は必ずしも100%安定収入とみてくれるわけではない、ということを覚えておきましょう。

金融機関や物件により、たとえば毎月10万円の家賃収入があっても、5万円分しか収入とみてくれない、といった場合もあります。にもかかわらず、「返済負担率」の計算にはマンションのローン返済額も含みます。

賃貸にしたら住宅ローンは使えない?

もう一つの問題点は、原則として賃貸物件に住宅ローンは使えないことです。住宅ローンは自分が住むための家を購入するために借りるローンであって、家賃収入を得るために借りるローンではないからです。突き詰めて考えれば、マンションは自宅から賃料を得るための物件に変わったわけですので、住宅ローンの要件には当てはまらなくなります。場合によっては金融機関から一括返済を求められる可能性もあります。そうなっては損失が出ようがマンションを売却するしか方法はなくなってしまいます。

マンションを賃貸に出すことを決めたら、アパートローンなど収益物件でも利用できるローンに借り換えができないか、金融機関に相談してみましょう。一般的にアパートローンは住宅ローンに比べると金利は高くなりますので、返済計画の見直しも同時にしておきましょう。

なお、新たな住宅購入のためのローンを、全期間固定金利の【フラット35】で借りる場合、もし、新旧2本のローンの合計返済額が返済負担率の範囲内であれば、マンションの住宅ローンをアパートローンに替えることなく、2本の住宅ローンを平行して借りることができます。ただし、審査結果は返済負担率以外の審査項目も含め、総合的に判断されますので、必ず平行して借りられるわけではありません。返済負担率の計算に入れる返済額の中身は、金融機関やローン商品等により異なります。あくまで原則を知った上で、個別の判断は金融機関に委ねることになります。

そのほかにもマンションを賃貸に出すと、ローンの返済以外に管理費や修繕積立金などの固定費、固定資産税等の税金、賃貸管理会社への報酬や広告費等の費用がかかります。住人が入れ替わるときのクリーニングや修繕費がかかりますし、空室期間中賃料は入りません。マンションを賃貸に出すうえで、様々かかるコストとリスクを考えなくてはなりません。「住宅ローンさえ払ってもらえれば大丈夫」と安易に考えて貸してしまうと、じわじわと毎月持ち出しが出て、家計を圧迫することにもなりかねません。空室期間や賃料が下がる可能性も含め、資金計画を立てることが大切です。

 

まとめ

独身女性のマンション購入は、購入後に結婚、出産など思わぬライフプランの大転換という可能性もあります。マンション購入にしても、結婚後の一戸建て購入にしても、借りられるぎりぎりのローンを組んでしまったら、人生に大きな変化があったとき家計が対応できなくなります。

ウィズコロナ、アフターコロナの不確実性を考えても、返せるぎりぎりの資金計画ではなく、変化に対応できる余裕を持った資金計画がより大切な時代です。購入を考えはじめたら、まずは現状の家計や資産の状況を把握して、無理のない返済計画を立ててから、家探しをはじめましょう。

住み替えの検討はじめたら個別相談もお受けしています→こちらをご覧ください

初めてのマンション購入のご相談は→こちらをご覧ください。

よかったらシェアをお願いします
  • URLをコピーしました!
目次